【眼鏡とレンズのお話】Vol.15 大人の眼のお話 -遠視編-
更新日:5月10日

意外と知らない、眼鏡やレンズの正しい知識を得ることは、ご自身の目や視力をいたわることに役立ちます。健康で快適な視生活を送るための参考にしてみてください。
Vol.15 大人の眼のお話 ー遠視編ー
前回に引き続き「大人の眼のお話」をいたします。今回は主に大人の遠視について少し深掘りしてお話いたします。
1.「大人の眼」の解説
1-2.大人の遠視
「眼鏡とレンズのお話Vol.2-屈折異常とは-」の中でも説明がありますが、遠視とは、目に入った光が網膜の後ろで像を結ぶ状態で、角膜や水晶体の屈折力が弱いか、眼軸が短い為に起こります。
軽度の遠視の場合には、職場や学校などでの視力検査では遠視であると分からないことがあります。それは、調節力が十分あれば(Vol.12 調節力のお話参照)、近くも遠くもある程度ピントを合わせて見ることが出来てしまうためです。

今まで、「眼鏡とは縁がない」と思っていたのに、「実は遠視でした」という方がいます。手元が見えにくいというと、老眼かな?と思う人もいるかもしれません。ところが、まだ30代なのに老視のような症状を感じるとしたら、それは遠視の影響かもしれません。
遠視は、遠くを見る時ですら調節する必要があります。そして、近くを見るときにはより多くの調節力が必要なので、近くにピントを合わせる為の調節力が足りなくなり、老視の症状として出てしまうのです。同じことが、近視の過矯正にも言えます。
さらに、加齢とともに調節力の低下が進み、遠くを見るときに必要な調節力も足りなくなってしまうと、遠くにもピントが合わなくなってしまうのです。
「裸眼で遠くが見えているから眼鏡は必要ない」と言う思い込みのせいで、眼精疲労や肩こり・頭痛、また、読書や手元の作業に集中しにくいことから仕事や勉強の効率低下などを招くリスクがあります。さらには、自律神経失調症を招く恐れもあるようです。
1-3.遠視と眼疾患
子どもの遠視では、さまざまな眼疾患と関連することがあるそうです。
子どもの目は視る機能が発達の途上にあり未熟で、主な眼疾患では、遠視性弱視や調節性内斜視などが挙げられます。
この時期に視る機能を障害する要因があると、発達が妨げられてしまいますので三歳児健診